2 インターナショナルスタイルとアメリカンスタイルの違いは? (続き)
冒頭の動画で比較してみましたか?
競技ダンスになってしまうとほとんど見分けがつかないということを実感されたか
思います。
ダンスの基本的なところは全く同じであり、端的に言えば、ステップの構成が違っているだけ・・と言えます。
それぞれのスタイルには、相互に共通のステップもあれば、それぞれ独自のステップもあり、またアメリカンスタイルにはインターナショナルにはないショーダンス的な自由さがあるのに対して、インターナショナルスタイルは競技ダンスという性質とイギリス育ちという性格上、ある程度のルールや制約があります。
たとえばワルツなどのスタンダード(モダン)を例に挙げると、インターナショナルスタイルでは、基本的にはホールドを固定して男女が離れて踊ることはありませんが、アメリカンスタイルでは、自由に離合しカップルの個性を最大限に活かして踊れるように構成されています。
(ただし、インターナショナルスタイルでもデモやショーダンスとして踊るときはその制約が解けますが。)
また、性格的な違いを言えば、アメリカンスタイルはパーティーでみんなと踊るカジュアルなダンスから競技スタイルまで幅広い段階に分かれ、ホームパーティーなどで誰でも楽しく踊れるように小さな子供やお年寄りまで無理なく習得できるように構成されています。
それに対してインターナショナルスタイルは、競技スタイルとして発展したものですから、どちらかと言えば初心者用に組まれたステップ(ルーティン)でも、ある程度年数をかけなければ習得できない難しいステップがどうしても内在しますので、ダンスを習い始めてからパーティーデビューするまでには結構長い年月を要します。どちらかと言えば、向上心旺盛なアスリート向きと言えます。
もちろん、アメリカンスタイルダンスにも競技スタイルがありますが、競技ダンスを志すに至るまでに、気取らずに楽しく踊れるカジュアルダンスでじっくりとダンスセンスを身につけられる前座的な学びの環境があるというのがアメリカンスタイルの特長でしょう。
ただ、一昔前の「ダンスはいやらしい」と偏見視されていた日本では、アメリカンスタイルよりもアスリート向けのスポーティーなインターナショナルスタイルが受け入れやすかったためでしょうか、
国内ではこのアメリカンスタイルを取り入れているダンス教室や地域サークルが大変少なく、あまり日本では踊られていないと言うのが実情です。
ですが、欧米ではこのアメリカンスタイルが日常的なパーティーダンスの主役であり、
インターナショナルスタイルはダンス競技大会以外では踊られることはほとんどありません。
話が段々飛躍してしまいましたが、どちらのスタイルも競技スタイルになってしまうと、その見分けはほとんどつかないでしょう。